シュタイナー教育講座を開催いたします

世界に広がるシュタイナー教育とその背景

― 100年前のドイツから日本・伊達・豊浦まで、教育の自由を拓くー

シュタイナー学校は、第一次大戦直後のドイツで、社会のあり方を刷新すべく壮大な構想の下に生まれました。男女共学、すべての子どもに開かれた高等教育、共和的な学校運営ーー革新的な“未来型の学校”は、ナチスの弾圧を乗り越え、現在では世界80カ国1250校以上へと広がり続けています。その歩みは日本にもつながり、いずみの学校は全国のシュタイナー学校とともに、フリースクール、ユネスコスクール認定、経済改革特区制度による学習指導要領の弾力化、普通教育機会確保法の成立へと続く、多様な教育が認められる教育改革の一端を担ってきました。伊達市・豊浦町もその舞台です。

  • シュタイナー学校は何が新しく、
  • なぜ100年続き、
  • 世界で選ばれ続けているのか?

本講座では、ドイツ教育史研究者・遠藤孝夫氏(岩手大名誉教授)をお迎えし、ドイツでシュタイナー学校が通常の学校とは異なる組織と内容で教育を実践するための「自由」をどのように獲得し、定着していったか、また、100年続くその背景と、100年続くその魅力に迫ります。

100年間選ばれ続けてきたシュタイナー学校の歴史と、その魅力を、地域のみなさまや教育関係の皆様と共有できれば幸いです。

学生は無料です。教員志望の方もぜひ足をお運びください。

⚫︎日時:2026131(土)14:00~15:30(会場13:30)

⚫︎会場:豊浦町地域交流センター とわにー(北海道虻田郡豊浦町字幸町87番地9)

⚫︎料金:一般1,000円(学生・NPO会員無料)《お支払いは現地にて》

席数予約のため、以下サイト(peatix)より申し込み必要。

https://sekaihe.peatix.com/view

<主催> 学校法人北海道シュタイナー学園、NPO法人シュタイナースクールいずみの学校

<後援> 豊浦町 豊浦町教育委員会 豊浦町文化団体連絡協議会 日本シュタイナー学校協会

遠藤先生からの言葉

つい最近公表された2024年度の文部科学省の調査で、不登校(年間30日以上欠席)の小中学生は35万人を超え、過去最多を更新。同じく、いじめ件数も特別支援学校を含めて約77万件で、過去最多となったそうです。子どもの数は減少する一方ですが、これからの日本や世界を支える大事な子どもたちへの教育は、抜本的な改革を必要としていると言えます。今から約100年前、現在の学校教育の基本的な形が形成された時期に、それまでの学校教育の在り方を刷新する極めて型破りな学校が、第一次世界大戦の敗戦国となったドイツに誕生しました。1919年創設のシュタイナー学校です。この学校はナチズム時代の弾圧を乗り越え、第二次世界大戦後には急速に学校数を増やし、今や全世界の約80か国に1,200校以上設置されています。国別で最も多いのは発祥の地ドイツで、250校を越しています。

残念ながら、日本は先進国の中でシュタイナー学校が最も少ない国であり、シュタイナー教育への関心も高いとは言えません。

しかし、上記のような深刻な問題を内包している日本の学校教育の変革を真剣に考えようとする時、シュタイナー学校とそこでの教育は大変有益な知見を与えてくれるものと考えます。

今回の講座では、世界に広がるシュタイナー学校とその教育の概要を説明するとともに、この学校が戦後のドイツ社会に定着することができた背景として、通常の学校とは異なる組織と内容で教育を実践するための「自由」を獲得するために、絶えず闘ってきた側面を分かりやすく説明したいと思います。

講師紹介:遠藤 孝夫 (えんどう たかお)氏

1958 年福島県生まれ。東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)(東北大学、1995年)。1997年10月より弘前大学教育学部。2007年4月より岩手大学教育学部教授(この間の4年間、教育学部長・教育学研究科長を兼務)を経て、2020年4月より淑徳大学人文学部教授。2025年4月より淑徳大学客員教授。岩手大学名誉教授。専門はドイツ近現代教育史。

主要著書

  • 『近代ドイツ公教育体制の再編過程』(創文社、1996 年) 『管理から自律へ 戦後ドイツの学校改革』(勁草書房、2004年)
  • 『教員養成学の誕生 弘前大学教育学部の挑戦』(編著、東信堂、2007 年) 『「主体的・対話的で深い学び」の理論と実践』(編著、東信堂、2019 年)
  • 『新訂版 シュタイナー教育』(翻訳、イザラ書房、2015 年) 『ドイツ現代史とシュタイナー学校の闘い』(東信堂、2023年)

チラシダウンロード(8.1MB)

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