10年生 社会実習

社会実習1

 7月7日(月)から7月19日(金)までの12泊13日で10年生は十勝の新得町にある「共働学舎新得農場」に社会実習に行ってきました。毎年10年生ではこの共働学舎へ実習に行っているのですが、去年一昨年は5日間だけでした。共働学舎での生活に慣れてきたところで、実習が終わってしまっていたのですが、今年は期間が倍以上に伸びて、生活に慣れてかつ体験を深めることが出来ました。
 共働学舎では、バイオダイナミックの農業や家畜の世話、チーズ工房での作業や羊毛を加工する工芸、ミンタルというおしゃれなカフェでの仕事等様々な仕事を一度に体験できます。11年生では自分の希望する実習先に一人で2週間の実習にいく「職業実習」がありますが、この10年生の社会実習はその前に、クラス単位で「働く」ということを体験します。他にも学舎で働く人たちのための食事作りの仕事もあります。共働学舎では様々な困難を抱えた人たちが協力し時にはぶつかり合いながら生活しています。11年生にはもう一つ、豊浦町近辺の福祉施設に2週間の実習に行く「福祉実習」があります。この社会実習は「福祉とは何か」を考え始めるきっかけにもなっています。
 今年は共働学舎新得農場の代表である宮嶋望さんやその長女である村上杏奈さんからお話を聞く機会もありました。宮嶋代表からは、共働学舎を立ち上げた経緯やチーズ作りに対する思いを語ってもらえました。「お金を回して、何をしたいのか」「社会に必要とされることが存続のカギ」「そのためには経済まで自分で考える必要がある」宮嶋代表の実体験は生徒に強い印象を与えたようです。この話を聞いた後からIくんは「特別教室棟を作るために農業の授業でトマトを作って、トマトソースに加工して売りましょう」と熱く語るようになりました。もしかしたら数年後、どこかでいずみの学校が作ったトマトソースが販売されているかもしれません。杏奈さんからは、共働学舎で大切にしていることについて話してもらえました。「何もできない人が、皆から存在を認められることで変わるのが共働学舎」「お互いの存在と出会う場所」「表面ではなく、存在と出会って欲しい」生徒達が体験していることをまさに言語化してもらえました。杏奈さんの話を聞く数日前に、Aさんが「最初は自分で相手との間に壁を作っていたようだったが、だんだん慣れて来てその壁がなくなったように思う」「今までは共働学舎の人と話しているという意識だったが、○○さんと話をしていると思うようになった」と話していました。まさに杏奈さんが言う「存在に出会う」体験をしたのだと思います。

社会実習2

 実習から帰ってくると、学校で報告会があります。先輩や後輩、学校の先生方や保護者の前で自分たちの体験を語ります。報告会に向けて準備をすることで、自分たちの体験を振り返りより学びが深まるので実習に行った後は必ず報告会があります。生徒達一人一人が素晴らしいことを話してくれていたのですが、ここでは1人だけ紹介します。4月からいずみの学校に転入してきたKくんはそれまで台湾で暮らしていました。生まれも育ちも台湾なので中国語は話せますが、日本語はまだまだ勉強中です。彼はこの2週間の実習で日本語がとても上達しました。「最初は共働学舎の人たちが怖かった。日本語もわからないので、仕事も何をしたらいいのかわからなかった。でもジェスチャーで丁寧に教えてくれたり、いろいろ話したり、一緒にゲーム等をするようになってから変わった。ここにいる人たちは皆優しいと思うようになった。チーズ工房でのチーズを切る作業が始めは自分に出来るかどうか、心配だった。でも挑戦してみたら自分にも出来た。チャレンジすることの大切さを実習で学んだ」とすべて日本語で報告してくれました。生徒達一人一人が素晴らしい学びをして、今後の人生の糧となるような素晴らしい体験ができました。

社会実習3

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