12年生は9月中旬、今年度「キャンプ」として道南の清流、後志利別川に行ってきました。
このキャンプは川に親しむことを目的に、3泊4日かけてカヤックを漕いで上流の山間部から約50キロ下流の河口まで下ります。今年度は、過去の体験から水に対して強い恐怖を感じてしまう生徒がいたため、通常のカヤック組と並行して川沿いを歩く徒歩組に分かれて進みました。
カヤック組は時折現れる波立つ瀬を、時に沈脱(ひっくり返った艇からの脱出)もしながら越えたり、川べりの水鳥が羽ばたく姿を追いつつ緩やかな流れに乗ったりしながら、下りました。一方、徒歩組は橋の上からカヤック組の通過を見下ろしたり、河原に出てカヤック組と一緒に休憩したりしつつ歩きました。その日の行動を終えた後は、橋の下や川べりの草むらに寝袋を広げ、焚き火台を使っての焚き火で煮炊きして食事を作る野営スタイルのキャンプでした。
前半2日間は好天に恵まれましたが、橋がない2泊目の野営場所では夕方に寒冷前線が迫ってきました。急ぎタープを広げて、集めた焚き木をその下にしまい込んでから、悪天をしのぎました。どしゃぶりの雨と雷が鳴る中、タープの下で焚き火を守り、前線通過後は一転、星空の下での焚き火でマシュマロを炙りました。
3日目からは海からの向かい風が強まり、風によって小刻みに立った波を、懸命なパドル操作で乗り越えながら進みました。そして4日目昼には海岸線で白波が激しく立ち上がる河口部に到着。一足早く河口部に着いた徒歩組が迎えてくれました。
今回、川下りの途中で練習したロール(ひっくり返った艇をパドル操作で復元すること)に見事成功した生徒、「風に押し返されないよう無心になって漕ぎ続けた」という生徒、4日間水の傍を歩き「今までより水が怖くなくなった」という徒歩組の生徒、それぞれが達成感を得た川旅となりました。
キャンプ担当 勝部 武志
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